はじめに

うちのむすめがもうじき4歳になります。

彼女のメイン言語は英語です。たしかにわたしは日本人の平均から見れば、まずまず英語ができるほうですし、妻もいくらかできます。なので、わたしたち夫婦が毎日一生懸命、むすめに英語を教えたのだろう、と思われるかもしれませんが、それはまったく違います。

以前はもっとたくさん教えてあげなければならないと思っていたのは事実です。しかし、実際に1歳2歳の子供を目の前にすると、うまく英語が出てこなかったのです。理由ははっきりとは分からないのですが、おそらく、わたしの知っている「英語」というのは、どうしても「大人」になってから覚えたもので、小さな子どもに話しかけるのに適した英語が思い浮かばなかったのだと思います。また、仕事などで疲れている時に、自宅で英語を話すのは苦痛だったのもあると思います。

 

たとえば、散歩していてクルマが来たら、「ほら、ブーブー来た、危ないよ」(危ないでちゅよ、という人はあまりいないと思いますが)、と言ったり、犬がいれば「わんわん、可愛いねぇ」とか、小さな子どもによく日本人が使うフレーズがあると思うのですが、それが英語ではぱっと出てこないし、ムリしてそういう英語を使ってしまうと、なんだか愛情表現としておかしなことになってしまうという感覚もありました。

 

しかし、ちょうど3歳になったころ、むすめは急に英語を話すようになり、「Come on daddy, play play」(パパ、遊ぼうよー)とせがみます。そして、公園に行ったならハトを見つけて「Hey little birdy, I will catch you」と話しかけているではないですか。

あとでむすめと一緒にアニメを見ていたら、アニメの中のキャラクター(たとえばミッキーマウスとか)が、そのように動物に話しかけているシーンがあったので、なるほどと思ったのですが、わたしの「英語世界」には、ハトに対して「You」を使うという選択肢はありませんでした。

ずっと自分の子供をバイリンガルにしたいと願っていたにも関わらず、あまりにもむすめがネイティブの子供のように話すので、なんだか自分の子供ではないような気がして、少しさびしさを覚えることすらありました。

 

 

まだ妻が妊娠している頃ですが、「子育ての大誤解」という本を読みました。

 

そのなかに、ロシア人の移民家庭の例が載っていて、言語は親が教えるものではないと主張していました。普段、家ではロシア語を話している両親の家庭でも、子どもたちはそのアメリカの街の方言をしっかりと覚えて、ネイティブの英語を話している、というその例はとても説得力がありました。つまり、移民の子どもたちは近所の別の子どもたちと遊びながら、言語を習得していくのだということです。

 

しかし、そう考えてみると、東京に住みながら、自分の子供を英語ネイティブの子どもと遊ばせることはとても難しく、むすめをバイリンガルにするのはムリなのかもしれないと思っていました。また、頭では「言語は親が教えるものではない」と分かっていても、前述の通り、やはり自分でもやらなければいけないと思っていました。

 

うちはむすめに、Youtube動画をいろいろと見せていました。今でもかなり見せています。どうやらむすめは、アニメの中のキャラクターを「友達」だと思っているようなのです。そして、その友達たちといろいろと話したいという気持ちがあるようです。なるほど、こういう状況ならば、英語ネイティブの子供が近所にいない状況なのに、むすめがネイティブの子供のように話し始めたわけか、と納得しました。

動画をたくさん見せることには強い抵抗感を示すママ友も多いです。実際、病院の小児科には、テレビやパソコンを見せ続けるのはやめましょうというポスターまで貼られています。しかし、わたしはどうしてもそれが問題だと思えなかったので、構わず見せ続けていました。今では「問題」どころか、動画がむすめを育ててくれている、とさえ感じています。英語だけではなく、ピアノやウクレレにも興味を示すようになったのは、その中で小さな子どもたちが楽しそうに弾いているのを見てからで、わたしや妻がいくら見せても、それほど興味を持ってくれなかったのです。

 

近所のママ友は、とてもピアノが上手なのだそうですが、お金を払ってピアノ教室に通わせているそうです。うん、今ならそれはすごく納得できます。 親が子供になにかを教えるのはとても難しいのです。愛情があるがゆえに厳しくなりすぎてしまったり、いろいろな要因が考えられるとは思いますが、ほかにもうまくいかない例をたくさん耳にしてきました。

 

むすめが3歳10ヶ月になるかならないかという頃、たまたま「小さなブルドッグがフランス語で日本文化を紹介する」動画を見たのをきっかけに、むすめはフランス語を話すようになりました。

フランス語については、わたしも妻も、まったく分かりません。このまま、しばらくYoutube動画でフランス語のアニメなどを2,3年見せ続けたら、どれくらい流暢に話せるようになるだろうか楽しみにしています。

わたしはフランス語の発音がどうしても好きになれないので、妻がいくらか挨拶程度は覚えるようにしていますが、両親が知らない言語をどこまで動画で覚えられるのか、いい実験になりそうです。

 

タブレットPCで、むすめは「Pou」というゲームをしています。英語で「うんち」は「Poop」というのですが、そのゲームはうんちにご飯を上げたり、疲れてきたら薬を上げたり、寝かせてあげたりしながら、育てていくゲームです。むかし「たまごっち」が流行しましたが、それの「うんち版」だと考えていただければ、遠からずです。

まあ、「うんち」とは言いながら、形はほとんどおにぎりのようなもので、もちろん、そんなにリアルな「うんち」ではありません。可愛いといえば可愛いです。

しかし、困ったことに、公園に散歩に行った時、ハトのフンが落ちていたのですが、そのフンたちと遊びたがって、いつまでもそこを離れようとしませんでした。。。

 

要するに、うちのむすめはもうすぐ4歳になるにも関わらず、ゲームの「Pou」と、ほんものの「フン」を混同して、遊びたがっているということです。世間の親御さんたちがこんな状況を見たら、うちの子はこのままでは大変なことになってしまうのではないか、学校に行ってちゃんと勉強できないのではないだろうか、と大慌てになるでしょう。

 

我が家では、もともとの中国語では、「勉強」という言葉には、無理強いするという意味があるから使うのをやめようと言っていたのですが、驚いたことに、マッド・サイエンティストとも呼ばれている苫米地さんがまったく同じことを言っていました。

 


うーん、苫米地さんはやっぱり言葉が難しいので、あまりおすすめはしませんが、興味があればご覧ください。

 

「勉強」というのは、日本人の多くは良い言葉だと思っていますが、それ自体が能力を低下させているということ。

「洗脳」というのは、たしかに悪い使われ方をしてきましたが、自らに良い意味で使っていけば、効果は大きいということ。

発送の転換になれば幸いです。

 

「学校でおとなしく勉強する子」が「良い子供」だと信じて疑わない親御さんたちがほとんどです。が、わたしはそうは思いません。しかし、今の時点では「机上の空論」になってしまいますので、自分の子供がさまざまな能力をしっかりと身につけられたら、それをみなさんにお見せし、判断していただこうと思っています。

 

もうひとつ、発送の転換として、「中毒」というのを多くの人は誤解しているので、それについては、下の動画をご覧頂きたいと思います。動画の下の方にある「設定」ボタンから日本語字幕も選択できますよ!

 

以下、2013年にこのサイトを立ち上げた時の「まえがき」です。参考までにそのまま記載しておきます。

そのころの主張としては、早い段階から能力を伸ばしてあげれば、結果として教育費も抑えられて、良いことづくめですよ、と言いたかったのですが、それから4年以上が経ち、世間の親御さんたちの脳内にある固定観念があまりに強すぎて、わたしの主張はまったく受け入れられないことが分かりました。

 

2018年2月追記

 

I believe the children are our future

Teach them well and let them lead the way

Show them all the beauty they possess inside

 

子供たちはボクたちの未来だと信じている

彼らにしっかりと教えてあげて、自分の道を歩ませてあげよう

心の中にあるすべての美しいものを見せてあげるんだ

 

Learning to love yourself

It is the greatest love of all

 

自分に自信を持てるようになれば

それこそが最高の愛なんだ

 

 

 

日本社会では、よく「教育費は子供一人あたり、最低でも1,000万円かかる」なんてことを耳にします。

http://educationalcost.com/?

(※実際にはそれぞれの家庭事情により、その幅はかなり大きいので、たとえば、地方から出てきて一人暮らしする場合とか、理系の大学に進む場合とか、もしこれから子育てをお考えの方には、こちらのシミュレータが役に立つかもしれません。)

 

しかし、多くの人々にとっては、100万円だって、相当な大金だと感じられているでしょう。

毎月8万円を貯金したとしても、10年間で960万円です。1,000万円というのは、やはり途方もなく大きなお金です。これまで何度も貯金を試みたものの、ぜんぜん貯まらなかったという方も多いはずです。

 

また、一人育てるのに1,000万円かかるのだとしたら、二人、三人育てるとしたら、いったいどうなってしまうのでしょう。

想像しただけで、背筋に冷たいものが走って、気分が悪くなった人も多いのではないでしょうか。

 

「今、結婚を考えている人がいるけど、ほんとにちゃんと子育てできるのだろうか」と不安になり、結婚を思いとどまっている方も、けっこういるのではないでしょうか。子育てももちろん大変ですが、そこに介護などの問題も重なってきます。その重圧はなかなかのものです。

日本が晩婚化や少子化に向かうのも、ごく当然のことだと言えるのではないでしょうか。

 

 

なんとかして、教育費を抑える方法はないのだろうか。

ほんとうに塾や予備校に高額な費用を払う必要はあるのだろうか。

 

わたしが思うに、ほかに方法はいくらでもあるはずです。

なによりもまず、この問題を考えないことには、この社会が衰退していくのを、ただ手をこまねいて見ているしかないということになります。

 

日本の移民政策について考える

 

 

ここではまず、そのヒントを与えてくれるドキュメンタリー番組を紹介したいと思います。

 

Links for Good

こちらはアメリカの心理学者が1970年代に行った、主にアフリカ系アメリカ人の貧困層の子供たちに、適切な刺激を与えたら、どうなるだろうか、というプロジェクトです。ぜひ、一度と言わず、何度も繰り返しご覧いただきたいと思います。

 

Benefits of high-quality child care persist into adulthood

高水準な早期教育の恩恵は大人になっても続く

最初に実験が行われてから、30年以上が過ぎ、いまだにその教育の成果は如実に表れていることが分かります。

 

このビデオの中で、白髪の科学者が「子供主導が原則、脈絡なく与えるのではなく、見合う能力を考え、ほんの少しだけ背伸びさせるのです」と言っていますね。

おそらくこのビデオを見て、子を持つ親の多くは、あるいはこれから子供をもうけようと考えている夫婦は、感動し、いくらか胸の内に希望の光が差し込んだのではないかと思います。

しかし、実際にあの科学者が言っていることを実行しようと思うと、なかなか容易ではなく、またしても途方に暮れてしまっている方も多いのではないでしょうか。

 

このビデオのなかで印象的なことの一つに「刺激を与え始めるのは3歳からでは、到底遅すぎると確信していましたね」という言葉があります。

とすると、まだ言葉もおぼつかない子供たちに、ほんとうに適切な刺激を与えられているかを常に意識しなくてはなりません。

あのビデオに出てくるような専門家たちの助言がなくては、やはり普通の人々には、とてもつかみどころがなく、充実感や進捗を感じることが難しいでしょう。

また、「最初の1年くらいはほとんど変化が見られなかった」とも言っています。ですので、普通の人がこのビデオを参考にして、なにかしら試みても、空しくて、あるいは、もしかするとこの方法は間違っているのではないだろうかという不安な日々を送ることになるでしょう。

 

適切な刺激を与えるということ その2

シナプスに関する研究、赤ちゃんのまねをする能力についてのビデオを紹介しています。ぜひ、ご覧ください。

 

 

では、従来通り、習い事の教室に通わせて、ドリル的な「詰め込み」に多くの費用を払い続けるべきなのでしょうか。

わたしの妻は現在(13年12月時点で)、妊娠5か月で、もうすぐわたしも父になる予定ですが、これまでのような教育にお金を払うのは個人的には、まっぴらごめんです。

なぜなら、わたし自身が、そのような教育を受けてうんざりしているからです。子供たちの個性を押しつぶして、やりたがっていないことを強制する、という考え方から、もはや脱却すべき時代が到来したとわたしは考えています。

 

もう、前置きはいいから、早く具体的な手法を知りたいという方はこちらをクリック!

 

このビデオはたった6分半の短いビデオです。しかし、その中で語られている言葉は、じつに深いです。

たとえば、この言葉なども、非常に大きな意味を持っています。

「なにかに興味を示しているのは、それを学べる証拠です」

 

 

今、この日本では、「結婚し、子供を育てていく」という巨大な恐怖と不安にさいなまれ、多くの夫婦たちは恐れおののき、たじろいでいることでしょう。わたしもその一人です。

しかし、その予測不可能な未来という大きな壁を前にして、思考停止に陥り、ただ徒(いたずら)に前例踏襲という因習にとらわれる前に、どうかもう一度、これらの言葉の意味を考えてみてください。

 

「なにかに興味を示しているのは、それを学べる証拠です」

「子供主導が原則、脈絡なく与えるのではなく、見合う能力を考え、ほんの少しだけ背伸びさせるのです」

「高いIQを維持し、資格を取り、いい仕事に就いたのです。幼児期の刺激の影響が生涯続く証拠でした」

 

先ほどもお話しした通り、個々の家庭で、漫然と早期教育を試みたとしても、ただむやみに、深い迷路の奥へと潜りこんでしまいかねません。

これまで「早期教育」という語を用いてきましたが、「早期脳刺激」のほうがより適切でしょう。現在(14年9月時点で)、5ヶ月の娘に実践していることを妻のウェブサイトに記載してありますので、そちらも興味があれば、ぜひご覧ください。

 

このサイトではまず、英語を中心に具体的で、取り組みやすい手法を提案したいと思います。では、次のページへとまいりましょう!

 

こちらは鹿児島の保育園で行われている手法です。アベセダリアンとも共通点が多く、また、具体的な実例も多く紹介されているので、ぜひご覧ください。


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